叙々苑フードファクトリーで一括生産されている叙々苑の漬物は、製造工程のほとんどが手作りです。そこには、実に多くのこだわりが貫かれています。
たとえばキムチのおいしさを左右する塩加減や塩抜きの時間は、季節や気温、その日の白菜の状態などに合わせて、熟練のスタッフが微妙な調節を行います。これは機械ではできない、まさに職人技とよぶべき繊細な作業です。
塩振り作業や、ヤンニョム(キムチの素)を塗り込む作業も、人の手で葉を一枚ずつめくって、丁寧に塗り込みます。不要な水分を抜くときも、人の手で1株ずつ絞ります。このときには、葉が硬いものをはじく選別作業も行い、厳選された白菜だけがキムチになっていきます。
ヤンニョムの製造工程でも、人の手が活躍します。材料となるアミエビの塩辛は、業者から仕入れた時点ではカニ・魚・イカといった海の仲間が混入しており、検品作業を行わなければ使えません。時には数時間にも及ぶこの検品作業も、人の手と目によって、しっかり丁寧に行われます。
センナムルなどに使用する大根は、1本1本、手作業で皮をむきます。皮むき後のカットではスライサーという機械を使いますが、大根の種類や状態に合わせて、そのつど刃を変えます。
カットする太さを調節することで、いつでも同じ状態で提供できるようにしているのです。
また、最後の味調整をするために、責任者が味見を行いますが、漬物製造部門でこれができるのは、わずか3人だけです。長年の経験と実力が認められた者だけに許されている作業なのです。
食材選びにもこだわりがあります。使用する白菜の主な産地は、夏なら長野県、秋から冬にかけては茨城県。大根の場合なら、千葉県、神奈川県、北海道、静岡県などから、季節ごとに一番おいしいものを厳選して仕入れています。
心をこめて手作りしている叙々苑の漬物のおいしさは、多くのこだわりと職人技によって実現しているのです。